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法人成りのデメリットを挙げるなら

法人成りのメリットばかり強調してきましたが、ここでは法人成りのデメリットについて挙げてみましょう。

・赤字でも法人地方税がかかる。

法人は、赤字でも税金を払う必要があります。赤字だと支払わなくてもいい税金は,法人税・法人事業税。しかし,法人住民税は,赤字でも黒字でも,その場所に法人が存在するだけで支払う必要があります。香川県高松市の場合、8万円(県民税2万円、市民税6万円)です。

・社会保険の加入が義務づけられる。

法人化すると,社会保険が強制加入になります。個人事業主の場合は,社会保険の加入は一定の要件を除いて任意加入です。社長一人しかいない場合であっても同じです。社会保険(協会けんぽ)は、国民健康保険よりも保障が厚い代わり保険料も高いので、どちらが良いかは一概には言えないのですが、掛け金の高い社会保険(協会けんぽ)のほうがデメリットになるかもしれません。

・法人設立費用がかかる

法人を設立には手数料がかかります。司法書士や行政書士の専門家にお願いするケースが多いですが、最低でも登録免許税と手数料だけで30万円ぐらいかかります。加えて法人化する時の手続きは、手間と労力が多少がかかります。

・インターネットや電話、金融機関サービスなどの基本料金が上がる。

一般に通信回線サービスや金融機関のサービスは、個人契約と法人契約の2パターンあり、普通法人契約の方が値段が高く設定されています。料金を引き下げようと思えば個人契約のほうがトクです。

・交際費が9割までしか経費にできない。

個人では全額認められた交際費が法人では9割までしか経費に認められません。1割分は損金(経費)から除外(損金不算入)されます。

・事務負担が確実に増える。

登記や会計・税務の事務が確実に増えます。登記は数年毎に変更しなければいけませんし,株主総会や取締役会で役員変更や再任などの変更があった時には,登記変更します。その際には、司法書士などの専門家に変更依頼すると,その事務手数料も追加でがかかります。

また,決算書および税務申告書を作成するために税理士事務所に顧問をお願いすることになるケースが多いです。こちらも毎月ある程度のお金がかかります。そして,会社として作成する帳簿や伝票が,個人事業主のときと比べると詳しく難しいものになります。

・税務調査が入る可能性が高くなる。

法人のほうが税務調査が入りやすくなると一般的にいわれています。税務調査が入る時期については,法人だと3年おきぐらい,個人事業主だと10年おきぐらいといわれています(統計的なデータではありません)。

税務調査はある程度税金の徴収が見込めるところでないと入りませので、売り上げが多い会社や、一項目だけ多い経費があるなど、重点的に税務調査をするようです。税務調査の際には,税理士に立ち会いをするケースが多いですが、その際には日当が必要になります。

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