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合法的!社会保険料節約のコツ

●1.はじめに

【1】従業員のモチベーションを下げてはいけない。

「企業の人なり」。社会保険料の節約を検討するまえに、会社で雇用する従業員のモチベーションに配慮することがなによりも大切です。経営全体の全体最適や従業員の将来設計やライフプランを考えながら、そのうえで社会保険料の節約を考えてください。

このページの各対策には、従業員・役員にとってメリットになる一方、デメリットもあります。厚生年金保険料を節約すると将来受取る年金受給が減ってしまいます。

導入にあたっては、経営者としての説明責任を果たすことが、従業員・役員のモチベーションを下げない(白けさせない)コツだと考えます。

【2】社会保険料を取り巻く環境

現在、正社員を一人雇用するとその人の直接人件費の数十%の社会保険料の事業主負担分が発生します。すなわち、年収400万年の正社員一人を採用するとその人に支払う給料・賞与以外に52万円も経費がかかってきます。会社にかかるものが、52万円で、個人負担分が52万円、合計で104万円です。いかに現在の社会保険料が高いものなのか・・・

少子高齢化の進展により、医療・年金財政の前提が大きく変化しています。現在、社会保険の財政基盤は急速に悪化してるため、今後事業主が負担する社会保険料は確実に増加します。

まず健康保険料ですが、今後高齢者が増加し、医療費の増加は必至であるにもかかわらず、高齢者を支える現役世代の数は少子化のため減少しています。社会保険庁でも2009年度からの政府管掌健康保険料率の引き上げ案があります。

厚生年金保険料率は、毎年引上げられることがすでに決まっており。2017年度には18.3%(労使折半で負担)にもなります。

将来は、社会保険料の事業主負担額は人件費の約18%にもなると言われています。

 

【3】これからの雇用形態 

このような事情を考えれば、これからの企業の雇用形態は、基幹的な仕事は正社員が、定型的かつ反復的な仕事はパートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託等にまかせるか、業務委託、請負契約を締結した上で外注する方向に進むものと予想されます。社員の雇用はどうあるべきかということよりも、どういう方向に進んでいるか?ということです。

これからは事業主側が主体的に社会保険料をコントロールする必要性あるといえます。 

 

【4】導入にあたって

ここでご紹介する節約方法は、法律に抵触するものではありませんが、自社で適用できるか否かの検討には、事前に当事務所の担当者にご相談ください。

【5】法改正

本稿は平成21年4月現在の法令・通達に基づいて計算しています。法改正等により、今後変更になる可能性がありますのでご留意下さい。

 

●2.社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)を節約する方法

【1】4月から6月支給の残業代や手当を減らす。

対象:すべての企業

社会保険料の毎年4月~6月の給与(残業代や手当も含む)で決定され、その金額が原則1年間適用されます。4月~6月に支給される月の残業代や手当を減らすことができれば、社会保険料の節約になります。

(1)残業代の支給
給与の締切日のきめ方でこの間の残業代が3月分から5月分が標準報酬に加算される会社と4月分から6月分が加算される会社があります。たとえば、3月が業務繁忙で残業代が多い会社は、3月分残業代が加算されないように、6月が業務閑散期で残業代が少ない会社は、6月分が含まれるように支給します。逆も同様です。

(2)通勤手当の支給
計算基礎となる標準報酬には通勤交通費も含まれています。一ヶ月の定期代を毎月支給している会社は、6ヶ月間定期などの支給(4月から6月以外に支給)に切り替えることで、通勤交通費を標準報酬から減額することができます。

(3)皆勤手当
手当を2か月分まとめて奇数月に支給すると、計算対象が5月だけとなり、4月と6月は除外されるため社会保険料の節約になります。

(4)営業手当、出張手当
営業手当や出張手当は、手当として支給するのではなく、交際費や旅費などの実費を負担するように変更すれば、標準報酬の対象外となるため社会保険料の節約となります。

    メリット デメリット
企業 社会保険料が節約できる。     
従業員 月給の手取額が増加する。 老齢厚生年金等の給付が下がる。
残業代や手当が下がるため、その期間の当然総所得は下がる。
注意点

【2】定期昇給の時期を4月から7月に変更する。

対象:すべての企業

健康保険料、厚生年金保険料は、4月~6月の平均給与から決定します。定期昇給を4月ではなく、7月とすると、標準報酬の等級の昇給が翌年に繰り越されます。9月から翌年の8月までの1年間その差額分だけ社会保険料を節約することが出来ます。

    メリット デメリット
企業 社会保険料が節約できる。 昇給ではなく、降給する場合は逆に増加する。
従業員 給与の手取額が増加する。 老齢厚生年金・傷病手当金の給付額が若干下がる。
昇給ではなく、降給する場合は逆に増加する。
注意点 就業規則の昇給時期を変更し、従業員の同意を得るとともに、労働基準監督署に変更届を提出する必要がある。

【3】退職日は月末の前日にする。

対象:すべての企業

社会保険では、退職日の翌日が資格の喪失日となります。退職日を月末の前日(1月の場合は、1月30日にすると)社会保険の資格喪失日はその月の末日(前述の場合1月31日)となり、社会保険料は前月までの負担(12月)までの負担となります。逆に社員が月末(1月31日)に退社をすると、社会保険の資格喪失日は翌月の1日(2月1日)になります。社会保険料も退職月(1月)までの保険料を労使折半で負担する必要があります。

また、社員の入社は月の途中からではなくて、月初め(1日)からとすると節約につながります

    メリット デメリット
企業 社会保険料が節約できる。   
従業員(退職者) 1か月分の保険料の節約となり、月給の手取額が増える。 老齢厚生年金等の給付が下がる。
・退職日の翌日から新しい会社に就職することが決まっていない場合は、退職月を含めて国民年金・国民健康保険(任意継続加入も可)に加入する必要あり。
・国民年金で配偶者が第1号被保険者になる場合は、配偶者分も保険料が必要。

 

【4】賃金テーブルを見直す。

社員:すべての企業

会社の賃金テーブルを標準報酬の各等級の上限額に近い金額で設定することにより、会社全体の社会保険料率を下げることができます。給料が29万円のAさんと、28万9990円のBさんではの金額は10円しか違いませんが、標準報酬の等級が異なるため、手取りは、Bさん(28万9990円の人)のほうが、手取りが多くなります。

ただし、交通費やその他の手当のある会社にはこの運用が難しくなります。

    メリット デメリット
企業 社会保険料が節約できる。 運用が難しい。
従業員(退職者) 1か月分の保険料の節約となり、月給の手取額が増える。 老齢厚生年金等の給付が下がる。。

【5】福利厚生を利用する。

対象:すべての企業

福利厚生は優秀な人材の獲得や定着を期待して、取り入れる制度です。住宅や食事のような、生活上欠かせないものを福利厚生の一環として現物支給するなど、会社の負担方法を工夫すると、社会保険料の節約がはかれます。見た目の給料は抑えても実質的な可処分所得の増加によって社員の働きに報いることができます。

(1)住宅手当
住宅手当よりも借上げ社宅にするとこで標準報酬の算定からはずすことができます。

(2)食事手当
現物支給に合致しない範囲(3分の1未満)で、食事手当を支給すれば標準報酬の算定からはずすことができます。

(3)その他の福利厚生
慶弔見舞金、各種スクール・通信教育受講補助、旅行、宿泊施設、育児介護施設の保護、スポーツクラブ補助、人間ドック補助、書籍購入捕縄

    メリット デメリット
企業 社会保険料が節約できる。     
従業員 給与の手取額が増加する。福利厚生のメリットを享受できる。 老齢厚生年金・傷病手当金の給付額が下がる。

 

【6】2ヶ月以内の有期雇用契約を締結する

対象:すべての企業

健康保険・厚生年金保険は、「2ヶ月以内の期間を定めて使用される者」は適用除外です。新たに人を採用する場合、まず2ヶ月以内の有期雇用契約を締結し、2ヶ月間の勤務態度・意欲等をみて「期間の定めのない雇用契約」を締結するかどうか判断します。もし適性がなければ、また正社員として雇いたくないと判断すれば、雇用契約期間満了で辞めてもらうことが賢明です。

    メリット デメリット
企業 社会保険料が節約できる。
2ヶ月間の職務適性を見て、採用することができる。メリット
一律にこの雇用形態を取ると、優秀な人材を確保するのが難しくなるケースがある。
従業員 手取り額が増加する。
2ヶ月間の適性を見計らった上で、就職を意志決定することができる。
健康保険、厚生年金保険に2ヶ月間加入出来ないので、国民健康保険、国民年金などに加入しなければいけない。
注意点
書面上2ヶ月の有期雇用契約を結んでも、その社員が結果として全員正社員となるような会社の場合は、入社日から「期間の定めのない契約であった」とみなされ被保険者に該当することとなる。

 

【7】賞与の一部を月給に加算する。(1)

対象:支給賞与、給与額の変更や残業代の発生がない先

賞与に係る社会保険料は、平成15年4月より総報酬制になりました。年収を一定という前提で、資格取得時の月給(残業代見込み額、通勤交通費を含む)を標準報酬の範囲の上限近くに賞与の一部を加算した額が範囲の上限近くに設定し、賞与を月給加算した分のみ減少させます。これにより賞与にかんする社会保険料の節約を図れます。 

たとえば健康保険料、厚生年金保険料ともに資格取得時の月給が、例えば、290,000円以上310,000円未満の間にある場合は、資格取得時の月給が下限の290,000円であっても、上限の309,999円であっても、標準報酬の月額が300千円で固定されるからです。

    メリット デメリット
企業 賞与にかかる社会保険料が減少する。 計算方法が煩雑になる。
従業員 手取り収入が増加する。 老齢厚生年金等の給付が下がる。
注意点
賞与があまり変動しないこと、残業代などの手当が大きく変動しないことが前提です。

 


【8】賞与の一部を月給に加算する。(2)

対象:年収726万円以上の社員がいる事業主

厚生年金保険の保険料率表では、標準報酬額の上限が620,000円に設定されていて、これ以上は一定額となっています。月給が605,000円以上の人はこれ以上、これ以上月給の支給額が増加しても、社会保険料は増加しません。賞与支給額を月給に割り振ることより、社会保険料の節約ができます。
賞与の支給を年4回以上とすると賞与としてではなく、月々の賃金として社会保険料がかかってきます。すなわち、翌年の定時決定において、定時決定前1年間に4回以上支給した賞与の合計の12分の1を、4~6月の各月の賃金に上乗せして毎月の社会保険料の控除額を決定します。

    メリット デメリット
企業 賞与にかかる社会保険料が節約できる。    
役員 年収の手取額が増加する。 老齢厚生年金等の給付が下がる。
賞与に受給する額が減少するので、生活設計の見直しが必要となる。
注意点
就業規則(賃金規程)の賞与の部分の変更と届出が必要になります。
月給が605,000円(年収726万円)以上の方が対象です。
賃金の水準が高い社員が多い会社ほど効果は大きくなります。



【9】賞与の支給を年1回にする。

対象:賞与の年間支給額が150万円以上の社員がいる事業主

賞与の社会保険料の上限額は、厚生年金保険で1回当り150万円、(健康保険では540万円)です。この上限額を上回る賞与は社会保険料(厚生年金保険料)が一定額となります。たとえば年2回100万円ずつ賞与を支給している場合、年1回で200万円の支給としたほうが社会保険料は節約できます。

    メリット デメリット
企業 社会保険料の節約ができる。  
役員 賞与の手取額が増加する。 ・減額した賞与分の老齢厚生年金等の支給額が減少する。
・賞与に受給する額が減少するので、生活設計の見直しが必要となる。
注意点
・賞与支給に関しての賃金規程等を変更する必要がある。
・支給とその算定にかかる対象期間の変更が必要。また、支払対象期間の途中で退職する社員が出た場合にその調整等を考える必要がある。

【10】休職期間の設定を見直す。

対象:すべての企業

長期欠勤であっても、雇用関係にある以上、事業主には社会保険料が発生します。就業規則等に明確な定めをしていないため、一般的には事業主が被保険者分(従業員分)を立替払いするケースが多いようです。ですから休職期間の保険料の取扱の定めを設けて、一定以上に社会保険料負担が膨れ上がらないように事前に準備しておくとよいでしょう。

    メリット デメリット
企業 社会保険料の節約ができる。  
従業員 社会保険料の節約ができる。  
注意点
・既に就業規則で、休職期間を短くに変更しなおすことは、労働条件の不利益変更となるため、合理的な理由がないと認められない。
・休職期間を勤続年数5年以下は3ヶ月、5年を越え20年以下は5ヶ月、20年超は8ヶ月と勤続年数に応じて定めるなど、就業規則上、明確なルール作りを行う必要がある。

【11】オーナー企業で家族(妻など)が勤務している場合。

対象:オーナー企業で妻などの家族が勤務する場合

役員の家族(妻など)がいる場合は報酬をまとめたほうが、社会保険料を節約できます。たとえば、50万円×2名で100万円の報酬を取るより、一人は92万円、もう一人は8万円と所得の分配を変更すれば社会保険料は安くなります。標準報酬はある一定額(605,000円)を超えるとそれ以上は増えないためです。また一方が130万円以下であれば、扶養の扱いを受けるため、社会保険自体に加入しなくてもよくなります。

    メリット デメリット
企業 社会保険料の節約ができる。  
役員 社会保険料の節約ができる。・健康保険の被扶養者となり保険料がかからない。
・国民年金の第3号被保険者となることができるので、年金もかからない。
・所得が一定額以下であれば、所得税も扶養対象者となり免税となる。
厚生年金保険の被保険者でなくなるため、老齢厚生年金等の給付額が減る。

 

 

【12】法人とは別の個人事業を活用する。

対象:オーナー企業(中小規模)

オーナー企業でオーナーの意志で利益調整が可能である場合に限ります。事業内容や業務内容ごとに、A部門は法人、B部門は個人事業として事業を分割し、法人からの役員報酬と、個人事業の所得を分けて受取るようにします。法人からの受取額を低めに設定し、個人事業からの所得を厚くすると社会保険料を節約することが出来ます。個人事業の事業主は、社会保険の適用除外者となっているからです。

    メリット デメリット
企業 社会保険の節約ができる  
役員 報酬の手取額が増加する。 老齢厚生年金等の給付額が低下します。

 

●3労働保険料(労災保険料・雇用保険料)を節約する方法

【1】本社を工場から移転し、個別に加入する。(労災保険料)

労災保険の保険料率は、事業場ごとに決定します。継続事業を一括している事業所は、継続事業の取消をおこない、本社と工場を分離して個別に加入すると、労災保険料は安くなります。
修理工場を営んでいる企業で、本社と工場が同じ場所にあれば、労災保険率は、すべて22.5/1000となりますが、工場から本社を移転すれば、本社の労災保険率は、その他の各種事業と判断され、22.5/1000から4.5/1000となります。

【2】被保険者となれない人を活用する。(雇用保険料)

「週20時間未満の労働時間のパート・アルバイト」や「昼間部に通っている学生」は、雇用保険の被保険者となりません。これらの者を雇用すれば、雇用保険料を節約することが出来ます。単純作業に従事させる場合は問題ありませんが、戦力として考える場合は、教育・訓練が欠かせませんので、この点に配慮することが大切です。時間給に格差を設け、能力向上に努めるようにするのがよいでしょう。

【3】64歳以上の高齢者を雇用する。(雇用保険料)

その年の4月1日現在、満年齢64歳以上の人の雇用保険料は、企業負担、個人負担ともに免除されます。従って、この64歳以上の人を雇用すると雇用保険料を節約することが出来ます。高齢者ですので、健康問題・意欲・能力等に留意することが大切です。

【高年齢者がパートで働くメリット】

    メリット デメリット
企業 雇用保険、健康保険、厚生年金保険の適用除外者となる    
高齢者(20時間未満) 年収の手取額が増加する。
厚生年金保険の適用除外者なので、特別支給の老齢厚生年金を全額受給することが出来る。
   

 

 

●4雇用形態の見直しについて

【1】パートタイマーの戦力化を図る。

パートタイマーの活用をうまく図れば、人件費、社会保険料の節約を図ることが出来ます。従来パートタイマーは、補助的な労働が中心でしたが、責任ある業務を任されるケースも増加しています。やる気と実力のあるパートタイマーには正当な評価(待遇面、福利厚生面)をしなければなりません。一方、単純労働、短時間勤務を希望するパートタイマーも多いです。このようにパートタイマーも多様化したパートタイマーを適材適所で配置し、戦力化を図ることは非常に大切です。

 

【2】高齢社員の戦力化を図る。

今後、高齢者雇用は労使ともに重要なテーマとなってきます。公的年金の支給開始年齢が徐々に65歳に近づくため、60歳以降65歳までの雇用が労働者の側からも期待されています。
60歳以降の雇用形態は、再雇用、雇用延長、嘱託、パートとありますが、週の労働時間や1ヶ月の労働日数の決定は、企業の採用方針と本人の希望・能力・意欲・健康状況等により異なってきます。短時間の勤務とすれば、社会保険料の節約を図ることが出来ますが、単に社会保険料のことだけ考えるのではなく、高年齢者の活用で企業発展を図る視点が大事だと考えます。
高年齢雇用継続給付、在職老齢年金をうまく利用し、企業負担を抑えながら従業員の手取額はそれほど下げずに雇用することが可能となります。
また、新規に60歳以上の高齢者を雇用する場合は、特定求職者雇用開発助成金の受給が可能となりますので、賃金の負担を軽くしましょう。
また、定年の延長に伴い、継続雇用定着促進助成金も数年以内になくなることが予想されますので、この助成金を希望する企業は、早い目に申請しておいた方が良いでしょう。

 

【3】雇用契約から請負契約に変更する。

雇用契約(民法623条)は、労働者が労働を提供し、使用者は提供された労働に対し報酬を支払う契約です。これに対し、請負契約(民法632条)は、請負人が仕事の成果を提供し、注文者はその仕事の成果に対して報酬を支払う契約です。請負契約を締結すると、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法等の労働者保護法の規制や、社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)加入義務を免れることが出来ます。
請負契約を締結出来るのは次の場合のように仕事の成果を注文者に提供出来る場合のみです。
①デザイナーなど独立した仕事の成果を提供することが出来る場合。
②工場内等の独立した工程で、上司の指示命令系統によらず自らの判断で仕事を進めることが出来、仕事に使う道具も自己が用意(又は注文者より賃借りする)し、仕事の成果を提供することが可能な場合。
【留意点】
イ.実態的には労働者性が認められる場合は、請負人は注文者の労働者と判断され、労働基準法をはじめとする労働者保護法が適用されます。
次の7つの条件を満たす場合は、労働者性があると判断されます。
・具体的な仕事の依頼 業務従事の指示などに対して諾否の自由がない。
・業務の内容及び遂行方法について「使用者」の具体的な指揮命令を受けている。
・「使用者」の命令、依頼により通常予定されている業務以外の業務に従事することがある。
・勤務場所及び勤務時間が指定され、管理されているなど拘束性がある。
・労働提供に代替性が認められていない。
・労働の対象として賃金が支払われている。
・仕事に使用する機械・機具・備品・消耗品等を使用者が用意している。
ロ.請負契約に出来る業務があり、既存の労働者が退職し請負契約締結することに同意しない場合は、新規に契約を結ぶものから、請負契約で契約することになります。
ハ.個人の請負人は個人事業主であり、その所得は事業所得となり税務では確定申告が必要です。保険は国民年金、国民健康保険に加入することになります。

 

【4】雇用契約から業務委託契約(委任契約)に変更する。

雇用契約(民法623条)は、労働者が労働を提供し、使用者は提供された労働に対し報酬を支払う契約です。これに対し、業務委託契約(民法656条)は、委託者より特定の業務の処理を委託され、他人の指揮命令下に入らず、自己の道具を使い委託者に特定の業務の処理を提供する契約です。委任契約(民法643条)は、委任者より法律行為を委託され受任者が受任することにより成立する契約です。業務委託契約では特定業務の処理に対し報酬を支払います。業務委託契約による注文では、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法等の労働者保護法の規制や、社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)加入義務を免れることが出来ます。

業務委託が出来る場合には、次のような場合です。いわゆる「業務のアウトソーシング」と呼ばれるものが該当します。
①営業などの販売行為。
②総務、人事、経理等の事務処理行為。

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